月命日 [できごと]
半年が過ぎた。
とーちゃんと私より六歳年長だった。
単純計算として、年齢差に平均寿命の男女差を加えた年月が寡婦生活期間、と漠然と考えていた。
平均寿命まで生きるとすると、74歳からの12年が一人で生活する期間となる。
ま、ここまでは開始時期や期間の違いはあれ、考えたことのある人は多いと思う。
自分だけの、自分のための時間。
もちろん、寂しさはあるにしても、それなりの気楽さと自由が(想像では)あったはずなのだ。
とーちゃんは、私一人の外出は好まなかった。
束縛、というわけではないが、自営業という生活だったせいか、
身近に雑用をこなす人間がいるという便利さが日常だったからかもしれない。
年に一度の姉妹旅行だけは、姉二人のダンナ様の手前もあって、
快~く出してくれたから、別にたいした不満はなかった。
自分が行きたくない所に誘うと
『俺がいなくなってから行ってくれ』 と冗談交じりに言った。
買い物が嫌いで、食べるものから身につける物まで私任せ。
好きな自動車や旅行に至るまで、一人で行くのは嫌がった。
仲良く(?)買い物をしている同年代のご夫婦を見かけると、
羨ましいというより、 「私にはああいう日は来ないのだ」 という思いがよぎる。
先輩未亡人は、『一年はかかるわよ。』とアドバイスしてくれるけれど‥‥
半年経った今でも、『自分だけの楽しみ』 の外出ができない。
そろそろ前を見なければ。
2016-08-01 14:25
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コメント(2)
コメントがいれられるようになっていたので
ともかくお悔やみ申し上げます。
色々な事が想像もつきませんが前を見るお手伝いが少しでもできるならば
いつでも声をかけて下さい。
by masiko (2016-08-01 17:20)
>masikoさん
ありがとうございます。
存命中は忌々しく思っていたことも、今は微笑ましく思えます。
10ヶ月経って、やっと主人の話を過去形で話せるようになりました。
by よっきー (2016-12-11 09:21)